概要

広島の西条が舞台の日本酒をテーマにしたボイスドラマ企画です。

日本酒を作る方たちへのリスペクト、そしてお酒が好きな方、お酒は苦手だけど日本酒を一度は飲んでみたい…そんな方たちに楽しんでいただける内容になる予定となっています。

発表はyoutubeのチャンネルにアップロードまたは安芸コミさん(https://akicomi.cosquerade.jp/)に出店予定でイラスト・グッズを配布予定となっています。

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「この町も、ずいぶんと寂れてしまったな…」
幼いころ、この西条には毎年寒い時期に、そらを覆うもくもくとした煙が立ち上っていた。夕暮れ時になるとお店の赤い提灯がところどころに灯っていて、賑やかな大人たちの声が聞こえる。

彼が店の戸をちらりと覗くと、怖そうなおじさんから気難しそうな女性まで、みんなお酒をもってにこにこ話している。グラスからきらきら輝く透明なお酒が、店内の照明に揺れていた。

─そんな賑わいを見せていたこの町も、若者のお酒離れからいまはすっかり静かな町になってしまった。
あれから少年は大人になり、杜氏として西条で酒を造っている。自分の作るお酒で、街に笑顔がもどるように、こころを込めて酒を造っていた。その心を、お酒の神様は「醸魂」と呼んでいた。

「むむむ…この気配は…むこうだっち!!」

これは、酒蔵の街でおりなす、お酒の神様(の子ども)と青年、そしてお酒に祝福された「麹人」たちのお話